「忙しくても無理なく続けられたのが良かったです」
デートで気が削がれる場面は、食事の席ではなく、その前にあると私は思っています。
候補日を出して、返事を待って、また少し直して送る。
その繰り返しが何度か続くうちに、最初にあった「会ってみたい」という気持ちが少しずつ薄れていくことがありました。
誰かと食事をすること自体に抵抗があるわけではないのに、約束を決めるまでのやり取りだけで気疲れう。
そういう引っかかりが、ずっと頭の片隅にありました。
以前と同じように自分で進める形では、また途中で熱が冷めるだろうと思っていました。
会いたい気持ちより先に、日程調整の煩わしさが浮かんでしまうからです。
その部分を任せられるなら、自分でも続けられるのかもしれない。
そこを確かめたくて、テンカラットに面談を申し込みました。
面談当日、ホテルのラウンジで合流したのは男性のコンシェルジュでした。
最初は少し硬い空気を想像していたのですが、なぜ入会しようと思ったのかや、デートを希望する女性のタイプなど、実際には一つひとつ確認しながら話を進めていく形でした。
こちらも必要以上に飾らずに答えられて、途中で身構える感じが薄れていったのを覚えています。
その場で結論を急がれるわけではなく、無理のない進め方を探るようなやり取りだったので、そのあとに控えている流れも現実的に考えやすくなりました。
面談が終わる頃には、少なくとも会うまでの煩わしさはなさそうだ、という感触が持てました。
自分の普段の予定を崩さずに進められるなら一度やってみよう。そう考えて、その場で入会を決めました。
入会後に会員ページを見れるようになってから、気になる方にオファーをお願いしました。
こちらが伝えたのは、都合の合う日と、待ち合わせしやすい場所くらいです。あとは返事を待つだけでした。
それまでの私は、会う前のやり取りに気を取られやすいところがありました。
候補日を出したあとも、返事の文面を考えたり、予定表を何度も見返したりする。
しかし今回は、細かいやり取りを自分で何度も重ねる必要がなかったので、返事を待つ間必要以上にやり取りのことを意識せずに済みました。
日程が決まったという連絡を受けたとき、まず感じたのは高揚感よりも、思っていたよりスムーズにここまで来たな、ということでした。
デートの当日、約束の少し前にホテルへ着きました。
ホテルロビーで人の流れを見ながら時間をつぶし、しばらくして携帯に電話が入りました。相手の女性から到着したことを知らせる短い連絡でした。
合流して上層階にあるラウンジに移り、席で注文を済ませると、女性のほうから「このあたりはよく来ますか」と聞かれました。
私は普段あまりこのホテルには来ないこと、ただ昔この街の近くでよく食事をしていたことを話しました。
そこからホテルがある周辺の店の入れ替わりの話になり、互いに知っている店の名前をいくつか挙げ合いました。
思っていたよりも共通の場所が多くて、地図を広げるように話が続いていったのが、その日は印象に残っています。
食事を終えて店を出るとき、店の前で少しだけ立ち話をしました。
店内で話していた街のことをもう少し続けて、それからその場で連絡先を交換して解散しました。
私は帰りのタクシーに乗る前に短くお礼のメッセージを送り、相手からもほどなく返事がありました。
そのやり取りを見て、まずはきちんと会えてよかったと思いました。
以前の自分なら、会う前の段階で疲れてしまって、当日は会った時点で気持ちが半分削がれていたような感じがありました。
今回は会う前の気持ちの消耗がとても少ない、そこが違いました。
会うまでの流れが余計に重くならなかったこと、そのぶん当日の時間を素直に迎えられたことのほうが大きかったです。
食事の席で相手の話し方やその場の空気をそのまま受け取れたのも、その差があったからかもしれません。
自分で全部抱え込まなくていい形があるだけで、こんなに違うのかというのが、今の率直な感想です。
もし同じような引っかかりがある方がほかにいるなら、一度話を聞いてみるだけでも見え方は変わるかもしれません。
50代/会社役員








