「思っていた以上に、余韻が残る夜でした」
実際に会ってみるまでは、期待しすぎないようにしていました。
写真やプロフィールだけで相手を判断するのは早い気がしましたし、反対に、会ってみても印象に残らなければ、自分には合わないのだろうとも考えていました。
食事の時間を楽しめるかどうかより、帰宅してからも思い出す出会いが得られるか。
その点を見てみたい気持ちがありました。
面談では、会員ページで見られる内容、気になる方がいた場合の伝え方、待ち合わせまでの連絡の流れなど、入会後の動き方を確認しました。
担当の方は、こちらの質問に一つずつ答えてくれました。
聞き終えたころには入会後の進み方が具体的に見え、納得して手続きを進めました。
後日、ログイン情報が届き、会員ページを開きました。
何人かの写真を見たあと、面接者コメントや食事の好み、趣味の欄も読みました。
写真だけで選ぶと、実際に会ったときの印象を決めつけてしまいそうだったからです。
強く目を引く方もいましたが、最終的には、同じ席で向き合ったときに無理なく話せそうだと感じた方に決め、番号と候補日、待ち合わせ場所をスタッフに伝えました。
当日は、約束の時刻に女性から電話がありました。
今いる場所を伝えると、ほどなくして合流できました。
挨拶を交わした直後は少し硬さがありましたが、店へ向かう途中、彼女のほうからこのあたりはよく来るのかと聞いてくれました。
その一言で、会話の入口が自然にできた気がします。
席についてメニューを開いたとき、私だけで決めてしまわないよう、苦手なものがないかを尋ねました。
彼女は遠慮しすぎず、食べたいものと避けたいものをはっきり伝えてくれました。
その率直さがかえって話しやすく、探り合う感じにならずに済みました。
食事中に印象に残ったのは、話の内容そのものより、受け止め方でした。
私の説明が少し曖昧になったときも、彼女はそのまま流さず、もう少し聞いてもいいかと自然に返してくれました。
詰めるような聞き方ではなかったので、こちらも言葉を足しやすかったです。
そこからは、きれいにまとめようとせず、思い出した順に話せるようになりました。
料理が運ばれてから、彼女の話し方の印象が少し変わりました。
最初は控えめな人かと思っていましたが、自分が選んだ料理について、好きな理由を自然に話してくれました。
こちらに合わせるだけではなく、食べたいものを自分の言葉で伝えられる人だと分かりました。
食事の好みのような小さな話でも、言い方にその人らしさは出るのだと思いました。
店を出る少し前、彼女が、最初に苦手なものを聞いてもらえたので選びやすかったと話してくれました。
こちらとしては特別なことをしたつもりはありませんでしたが、それを覚えていてくれたことが少し意外でした。
別れ際は短く挨拶を交わし、その日はそこで終わりました。
帰り道で考えていたのは、何を話したかより、話している間の距離の取り方でした。
彼女は遠慮しすぎず食べたいものを伝えてくれて、こちらの話にも必要以上に合わせようとはしませんでした。
そのおかげで、会話に無理がなく、もう少し話してみたい相手だったと思いました。
家に着いてから、すぐにいつもの用事へ戻るつもりでした。
けれど、彼女の率直な受け答えが、その後も何度か浮かびました。食事だけで区切るには、少し惜しい時間でした。
テンカラットを使ってみて、会う前にある程度の情報を見られたことは、思っていたより助けになりました。
ただ、あとまで残ったのはプロフィールの内容ではなく、食事中の返事の仕方や、話し方でした。
そういう部分は、同じ席に座ってみないと分かりません。
自分の目で確かめられたことは、利用してよかったと感じています。
迷いがあるなら、最初から答えを決める必要はないと思います。
まずは話を聞いて、自分が何を確かめたいのかを一度はっきりさせる。
それだけでも、動き方は少し変わるはずです。
50代/職業非公開








