「変に気を遣われないのがよかったです」
テンカラットに問い合わせたとき、私が少し気にしていたのは年齢差のことでした。
相手が若い方であれば、話題や考え方が合わないこともあるでしょうし、こちらに必要以上に気を遣わせてしまうのではないかとも思っていました。
丁寧に接してもらえるのはありがたいことです。
ただ、ずっとこちらの顔色を気にされたり、何を話しても合わせられたりすると、かえってこちらも気を遣います。
食事の時間を楽しむというより、お互いに遠慮し合って終わってしまうのではないか。
そこは、実際に会う前から気になっていました。
相手を選ぶときは、見た目だけでは決めませんでした。
写真やプロフィール、面接コメントを見ながら、一緒にレストランへ行ったときに、その場の空気に無理なく馴染めそうかを見ていました。
華やかさよりも、落ち着きがあるかどうかを重視していたと思います。
もちろん、画面上で受ける印象と、実際に会ったときの印象が同じとは限りません。
そこは、会って確かめるしかありませんでした。
当日、実際に会った彼女は、プロフィールから受けた印象よりも上品に見えました。
歩き方や挨拶の仕方に雑なところがなく、こちらの方が少し気後れしたくらいです。
一方で、席についてすぐに「こういうお店来たことないんです」と話してくれました。
慣れているふりをしないところは、むしろ好印象でした。
緊張しているのは分かりました。
背筋を伸ばして座っていて、手元にも少し硬さがありました。
それでも、だらしなく見えないように一つひとつの動きを丁寧にしているのが伝わりました。
場慣れしている人の余裕とは違いますが、その時間をきちんと大事にしようとしている姿勢は感じました。
食事中に印象に残っているのは、私の趣味であるオーディオの話をしたときです。
私は古い機材やレコードで聴く音が好きで、その話を少ししました。
こういう話は、興味がない人には退屈だと思います。
相手が若ければ、なおさら分からないことも多いでしょう。
ところが彼女は、ただ相づちを打つだけではありませんでした。
「私はそれ、あまり詳しくないんですけど、アナログにこだわるのは何でですか?」
と聞いてくれました。
アナログの魅力を私なりに伝えると、そのあとで、「私はどちらかというとデジタル派なんです」と、自分の感覚もそのまま返してくれました。
このやりとりが、私には心地よかったです。
分かったふりをするわけでもなく、こちらを持ち上げるわけでもない。
知らないことは知らないと言いながら、自分の考えも普通に出してくれる。
そのおかげで、こちらも変に格好をつけずに話せました。
そのあと、彼女が「おじいちゃんの家にこういうのがありました」と、昔見たオーディオ機器の特徴を話してくれました。
大きさや色、つまみの形を覚えていて、私はおそらくこういった機器だろうと思うものを答えました。
彼女は子どものころに見たきりで、それが何なのか知らなかったそうです。
答えを聞いて、少し楽しそうにしていた表情はよく覚えています。
会う前は、年齢差があることで会話にずれが出るのではないかと思っていました。
実際には、知らないことがあるからこそ、そこからやり取りが生まれました。
彼女がこちらに合わせきるのではなく、自分の知らないことを素直に聞き、自分の意見も返してくれたことが大きかったです。
別れ際には、また音楽の話をしましょうという流れになり、連絡先を交換しました。
その場で次の予定を強く決めるような話にはしませんでしたが、もう少し話してみたいという気持ちは残っていました。
帰宅してから思い出したのは、彼女の華やかさよりも、オーディオの話を聞いたときの反応でした。
分からないことをそのまま聞いてくれたこと。
デジタル派だと普通に言ってくれたこと。
緊張しながらも、こちらに合わせすぎずに言葉を返してくれたこと。
そういう細かいところが、別れたあとにも残りました。
テンカラットを利用してみて、写真やコメントで会う前にも雰囲気はつかめますが、分からない部分はやはりあると感じました。
今回はそこを確かめられたのが、自分にとって大きかったです。
年齢差が気になって最初の一歩を迷っている方は、考え込むより、まず一度問い合わせて、自分が何をどうしたいのかをそのまま相談してみるといいと思います。
60代前半/保険営業









